« 【読書メモ】チャイナ・イノベーションーーデータを制する者は世界を制する(日経BP社) [李 智慧(著)] | トップページ | 【読書メモ】プラットフォーム革命 (英治出版) [アレックス・モザド(著)] »

2018年12月 4日 (火)

【読書メモ】中東大混迷を解く サイクス=ピコ協定 百年の呪縛 (新潮選書) [池内 恵(著)]

中東各国の成り立ちや政治動向を歴史的来歴から解説した本。
以前、同シリーズの続巻『 シーア派とスンニ派』を読み、非常に良い内容だったので、この本も読んでみた。

『シーア派とスンニ派』では、イランの国教とも言えるシーア派の成り立ちから、律法学者が支配するイランという国の統治構造が解き明かされ、イランについて理解を深めることができた。

本書(『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』)は、19世紀のオスマントルコ分割に始まる中東国家の成立と混乱を整理している。
本書では、中東での列強の悪事の代名詞である「サイクス=ピコ協定」を導入にしながら、より中東の混乱の元凶に近付こうとしている。

本書で得た新知識としては、サイクス=ピコ協定自体は実行されず、後のセーブル条約やローザンヌ条約で骨抜きにされていること、3つの協約・条約を通じて中東秩序の構築に挑戦し、失敗したということ。

著者は3つの協約・条約を「当時の人類の英知を注ぎ込んだ結果、なおも曝け出さざるを得なかった失敗」と表現している。
なかなか格好いい言い回しでしょ?

現代において中東が問題となっているのは、これらの枠組みが動揺し、欧米にとって都合のいい難民への壁が崩壊し、難民が欧米になだれ込んでいることという指摘は、著者の冷めた知性を感じさせる。

これら2冊はビジネスマンといえども、教養人なら必読だ。

 

« 【読書メモ】チャイナ・イノベーションーーデータを制する者は世界を制する(日経BP社) [李 智慧(著)] | トップページ | 【読書メモ】プラットフォーム革命 (英治出版) [アレックス・モザド(著)] »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

« 【読書メモ】チャイナ・イノベーションーーデータを制する者は世界を制する(日経BP社) [李 智慧(著)] | トップページ | 【読書メモ】プラットフォーム革命 (英治出版) [アレックス・モザド(著)] »

フォト

最近のコメント

最近のトラックバック

2022年1月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ