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2018年12月20日 (木)

【読書メモ】公文書問題と日本の病理 (平凡社新書) [松岡資明(著)]

◆書籍として生煮え◆

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著者は日経新聞の記者として、政府の公文書管理の調査検討委員を務めている。
公文書管理の解説書は2011年にも書いているので、「モリカケ騒動」や「日報問題」で公文書管理に注目が上がっているタイミングで焼き直し版を出したということかもしれない。

海外事例など示唆的な内容も多く、公文書管理の対象が行政文書の一部にとどまり、立法資料の管理が不十分といった指摘には学ばされた。

しかし、全体に書籍としての構成が甘く、似たような組織・委員会や法律が脈絡なく出てきて、いま何の話しをしているのか話の筋を追いづらい。
内容の薄さを補うために満蒙開拓団の悲劇で一章を設けるなど、話が飛びまくっている。(雑談としては面白いが、公文書管理の話に絡めるのは無理筋)


私が思うところとしては

公文書管理と公開は民主主義の基盤になる重要な業務ではあるが、今この瞬間の権力者にとっては、政敵に武器を渡すものでしかない。
「民主主義と歴史に資するため」というお題目では制度が骨抜きにされるだろう。

実際、政治権力闘争に情熱のない福田康夫氏や谷垣禎一氏が公文書管理に関心を持ち、権力闘争以外に関心がない安倍晋三氏は特定秘密保護法で骨抜きしたことに現れている。

管理の対象になっている役人も、情報開示は大嫌いだ。
彼らは情報を使ってマスコミをコントロールし、民意をコントロールするという手法を失いたくはないし、意思決定の責任も負いたくはないから。

また、一方で「モリカケ騒動」に見るように、野党が情報を政争の道具にしかしていないため、国民の関心も高まらない。
「総理案件」とか「忖度」などと政権攻撃の手段にせず、「現場レベルの不適切な意思決定が民主主義を害している」という点に絞り建設的な議論をしていれば、もう少しマシな議論になっただろうにと口惜しい。

公文書管理については現実の政治から距離を置いた場所で、静かに、粛々と行わなければ成功しないだろう。

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