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2006年5月13日 (土)

経済学徒との対話

今週は、官僚さんのブログでいろいろ議論させて頂き、貴重な知見をいただきました。
その議論自体は、すこし続いていますが、人のブログで長々と議論をするのも気が引けますので、こちら側に反論のエントリーを立てました。

>その議論はこちら

以下は、そういうエントリーです。

>( ゜Д゜ )様

「市場原理」の意味論争については、私は「保留」します。
その理由は書きましたので、まあ……

論点は「官と民は同じか」のみに絞りましょう。

> 官は何をどの程度供給するかが政治によって決められるので、
> 各個人の行動で需給が調整される市場経済下の民間のようには
> いかないという意味

官の供給が「政治」で決められるというならば、民の供給も「経営判断」で決められる以上、同じように「恣意的」だと考えているわけです。
もちろん、「政治」や「経営判断」の材料の一つとして、経済学が一定の参考になることは、否定すべきではないでしょう。

その意味では、官と民は大差ないと考えています。

>「自然法的直感(道徳的直感)」というのは

ここの議論は、まあ、かなりシニカルなジョークなので、あまり議論の実益がないと思います。

とはいえ疑問にお答えしないのも卑怯ですから説明します。

私の悪人観は、「悪人は、自分を悪と自覚して悪をなす。だから、悪人は悪なのだ」ということです。
ですので、「道徳的直感」があっても、価値観の対立や犯罪は撲滅できないのですよ。
「道徳」は刑罰で強制しないといけないという発想ですから……

> 素朴な疑問なんですが、自然法的直感は生まれながらにわかるはずな
> のに、人類精神が発展しないと何かわからないというのは矛盾がある
> んじゃないでしょうか??

まっとうな反論だと思います。
論者は、「自然的直感は言語化できない」という事に対して答えているので、直感を言語化するにはツールが足りないという程度の話でしょう。

> 殺されたくない、盗まれたくない、みんなと仲良くしたいという
> のも本人が望んでいることなんだから、利己的行為だと思います。

すこし、言葉遊びになっている印象を受けます。
「自分は殺しされたくないが、他人は殺したい」という「欲望」があると言っているので、噛み合っていませんね。
(そういう欲望は不合理だと思うでしょ?私も、そう思います)

> 利己的行為というのは本人が望んでいる行動のことなんだから、生まれながらに人に迷惑をかけないことを望んでいる

これも、「自分は迷惑をかけられたくないが、他人に迷惑をかけても得をしたい」というのを「利己心」だと言っているので……

※りこしん【利己心】
 自分の利益だけを考え、他人の迷惑をかえりみない心。
 「―むきだしの行為」
 三省堂提供「大辞林 第二版」より

> 腐敗した官僚に任せるぐらいなら、不完全な市場でもそれに任せ
> たほうがマシだと思うんじゃなかろうかということです。

腐敗は論外として、不完全な市場に任せるとマシなのか?
これは、議論の余地がありますね。

「善」とは?「価値」とは?「望ましさ」とは?それらを何だと考えるかによると思います。
(が、これを議論で生み出せるとも思えないので……)

> 天下りといっても実体はただの再就職なので全廃されれば別の仕
> 事を選択しにくくなるでしょう。

「ただの再就職」は「天下り」と呼ばれていませんよ。
それは過剰反応だと思うのです。
もちろん、いつ大衆大明神がデイダラボッチと化して暴れ出すのか分かりませんから心配なのは分かりますけど……
なにせ、大衆大明神は、最初から頭が付いてませんので……(^_^;

よく若手官僚が官庁を辞めて外資系の会社に入りますが、これを「天下り」呼んでいる人は見かけないはずです。

> 役人の賃金を切り下げ、天下り(再就職)をもっと増やして別の仕事に
> 行ってもらい、人員を減らすのがよいということになるはずではない
> でしょうか?

何のために良いのか?という話ですね。
財政再建を意味しているなら、「天下り」を許すと財政再建を阻害します。
再三申し上げているように、「天下り」の目的は、税金を横領するシステム作りにあるからです。

> 逆に言えば、国民の側も金銭欲を他のものに昇華すれば、増税さ
> れようが退職金や献金で官僚政治家がいくら金を儲けようともな
> んとも思わな区なり問題が解消されますよね。

これも乱暴な議論だと思います。
増税されれば「生活」できなくなるのですよ。

私の主張は「官僚よ。ただ働きせよ」ではなくて、「ある程度の給与は保証されているし、失業の恐れもなくすので、将来の不安を感じずに、公益のために邁進してください」というものですから……

ただ、官の雇用保障を行うには、今現在の大衆の「怒り」にけじめをつけないといけないでしょう、と……
「シシ神よ 首をお返しします どうかお鎮まりを」と……

経済財政諮問会議は、人員削減という懲罰を与えようとしているけど、有能な官(皮肉ではありません)を流出させるくらいなら、別の改革の方がいいのでは、と言っているのです。

そして、大阪市の変な手当や、天下りや官製談合ではなく、妥当な給与水準を、正々堂々議論しましょう、と言っているのです。

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コメント

私も大衆の1人なんですがね。そこまでの怒りは感じていないんですよ。尤も、怒りを感じない人間は大衆ではないとするならそれで終わってしまう話なのですが。経済学が前提とする合理的な愚か者がフィクションであるなら、西麻布さんの前提とする「大衆」も想像の大衆である可能性は高いという気がするんですがね。

混ぜっ返してばかりで済みませんが、エレガントに殺しあうとか仰ったところで、どーも西麻布さんとガンダムのあの赤い人が重なりあって仕方ありません。お許しを。

投稿: maxi | 2006年5月14日 (日) 22時22分

>maxi様
コメントありがとうございます。

> 私も大衆の1人なんですがね。そこまでの怒りは感じていないんですよ

なるほど人格者でいらっしゃるのか?
まあ、とはいえ、大衆大明神の理不尽な怒りを、あまり、甘く見ない方が良いと思うのですよ。
政治家や官僚の甘い目論見が、大衆の怒りを買い小泉構造改革を生み出したと思うので……

それはさておき

> どーも西麻布さんとガンダムのあの赤い人が重なりあって仕方ありません

あの赤い人は、安彦さんが描く場合と、北爪さんが描く場合で、まったく別人になってしまいますね。
北爪版赤い人は、少々善人過ぎる気がします。

投稿: 西麻布夢彦 | 2006年5月15日 (月) 22時45分

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