書評:ウェブ進化論-形を変えたマルクス主義
書名:ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる
著者:梅田 望夫
出版社:ちくま新書
ISBN:4480062858
価格:740円(税抜き)
いまさら「ウェブ進化論」もないだろう、と思うのですが、知人のベンチャー起業家に勧められて、読んでみました。
読んだ感想として、案の定、中身がないというか……
それ以上に「なんじゃこりゃ!」でした。
言っていることは「Web2.0時代は、これまでと違うぞ」「どう違うかというと、ロングテールのおかげで、"総表現社会"が実現するぞ」「その中でGoogleの果たす役割は神のごとしだ!」という感じ……
随所に「神の視点」とか「世界政府」とか、ああ、ヒッピーかぶれだな、という表現が見えてウンザリです。
ロングテールの肝は、ロボット検索によって、ポータルにリンクされていない弱小サイトにも人が訪れるかも知れない、というものです。
ロボット検索の他にも、RSSとか、トラックバックとか、ポータル依存しないリンクを作れることが背景ですね。
でもね、ロボット検索で上位に来るためには、どれほど資金や労力が必要か……
まあ、本の内容の真否はどうでもいいのです。
ボクが、興味があるのは、この空虚な本が、なんで売れるのか?という点です。
その理由はたぶん、梅田氏が「こちら側」の典型と呼ぶエスタブリッシュ抑圧される「あちら側」の人々、つまり、ヒキコモリ・ニートでオタクなテッキーが、実はエスタブリッシュメントより進んでいて、いずれ、エスタブリッシュメントを打ち負かす、というビジョンが、ヒキコモリ・ニートでオタクなテッキーに受けたからでしょう。
そして、その破滅的ビジョンにエスタブリッシュメントが、恐れおののいたためでしょう。
言ってみれば、抑圧される労働者が、実は社会主義革命の前衛で、いずれエスタブリッシュメントを打倒するというエッセイを書いて世に出たマルクスのエピゴーネンです。
みんなビックリして読んでみようかと思うわね。
売るための仕掛けは他にもあります。
「グーグルに勤める友人」「はてな取締役」という立場が、彼に「あちら側」の代表者としての権威付けをしているのです。
(べつに「グーグルに勤める」から、物知りとは限らないんだけどね)
特に、梅田氏はブログでアクセスを集めて、それなりの知名度を持っていたのも大きいでしょうね。
でもね。何にせよ。
人間が生物であり、食べていかなければイケナイ限り、けっして「あちら側」は「こちら側」に勝てないよ。
「人はパンのみで生きるにあらず。神の言葉一つ一つで生きる」って言っても、パンは必須だから……
にしても、梅田氏は上手くやったなぁ~
アドセンスなんて「あちら側」の小遣い稼ぎではなくて、権威ある出版という「こちら側」のシステムで印税大もうけなんだから……
オレもあやかりたいなぁ~
◆今日も読んでくれてありがとう。
厳しいこと書いてるけど荒らさないでね。
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コメント
先日は、
トラバのお返しをいただき、
ありがとうございました!!
ウェブ進化論。
私は読んだことないですが、
けっこう売れているみたいですね。
先日、めざましテレビでも、
1位になってましたし。
本屋に行った時にでも、
さらっと目を通してみたいと思います☆
投稿: 取寄天国@ひで | 2006年4月12日 (水) 17時23分
>取寄天国@ひで様
コメントありがとうございます。
「ウェブ進化論」は、梅田さんが本気で書いてるなら宗教だし、商魂たくましく書いているなら、尊敬します。
まあ、30分で読める内容ですよ。
投稿: 西麻布夢彦 | 2006年4月12日 (水) 22時09分